日野先輩と新堂先輩
―部室―
日野:「お〜い。倉田〜」
倉田:「は〜い。なんですか日野先輩?」
日野:「ちょっと図書室に行って、ここに書いてる本持ってきてくれ」
倉田:「わかりました〜」
タタタタタ・・・・・・。
―図書室―
倉田:「え〜〜っと・・・・なになに?
『誰にでも出来る優しい黒魔術』『学校の七不思議』『グリム童話』
・・・・・・・・こんな本、図書室にあるの??」
倉田:「でも、ここの学校本スゴイからな〜。とりあえず探さなきゃ」
倉田:「(先輩七不思議の会やるとか言ってたけど、あとの2つの本は一体何に使う
んだろ〜?)」
・・・・・・・・・・・・・・・・。
倉田:「ふ〜『誰にでも出来る優しい黒魔術』って本は一体何処にあるのよ〜〜?」
倉田:「ん?あ〜〜あった〜〜〜!・・・・でもなんであんな高いとこにあるのよ〜。
一番上じゃない」
倉田:「え〜〜っと〜〜。踏み台踏み台〜・・・・・・」
ゴトッ
倉田:「おいしょっと・・・・。あ〜ん届かないよ〜。あと・・・・ちょ・・・・・・と〜〜」
ガタッ
倉田:「あっ・・・・きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
ドン
倉田:「??痛く・・・・ない・・・・・・?(何この感覚??)」
新堂:「大丈夫??」
倉田:「え・・・あっ・・・すみません・・・。下りますね(笑)」
新堂:「怪我は?」
倉田:「あ・・・・大丈夫です・・・・」
新堂:「はい・・・本・・・」
倉田:「すみません。ありがとうございます」
新堂:「ずいぶんスゴイの読むんだね」
倉田:「へ・・・?あっ・・・それは・・・ちょっと先輩に頼まれて・・・・・・」
新堂:「先輩・・・・・・?もしかして日野の事か?」
倉田:「知ってるんですか?」
新堂:「あ〜新聞部の子?日野から話、聞いてるよ。七不思議の会の進行役する子だ
ろ?」
倉田:「え・・・あ・・・はい。そうですけど・・・・・・」
新堂:「あっ!俺?俺は3年D組の新堂誠だ。七不思議の会に行くからよろしくな」
倉田:「あ・・・はい。こちらこそ・・・・・・」
新堂:「じゃぁ俺はこれで・・・・・・。日野によろしく言っといてくれ」
倉田:「はい。本当にありがとうございました」
新堂:「別に気にしなくていいよ。じゃ」
ガラッ
倉田:「あっ、あの〜・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・。
倉田:「あれ?新堂先輩もういない・・・・・・」
―部室―
ガラッ
倉田:「先輩、本借りてきましたよ〜」
日野:「おぅ。ご苦労だったな倉田」
倉田:「一体、何に使うんですか〜?こんな本」
日野:「ん〜気にすんな。もう帰っていいぞ〜」
倉田:「は〜い。お疲れ様でした〜」
日野:「お疲れ〜」
倉田:「あっ、そういえば新堂先輩に会いましたよ〜。『日野によろしく言っといて
くれ』って言われました〜」
日野:「新堂が・・・・・・・・・?」
倉田:「はい」
日野:「本当に・・・新堂だったか?」
倉田:「??『3年D組の新堂誠だ』って本人が言ってましたよ」
日野:「・・・そうか・・・。他に何か言ってなかったか・・・?」
倉田:「え〜っと・・・『七不思議の会に行くからよろしくな』って言ってました」
日野:「・・・・・・そうか・・・・・・」
倉田:「どうかしましたか?」
日野:「いや・・・なんでもない」
倉田:「そうですか。では失礼します」
日野:「倉田!」
倉田:「はい?なんですか?」
日野:「新堂には・・・気をつけろ」
倉田:「??どういう意味ですか??」
日野:「いや・・・なんでもない・・・。気にするな」
ガチャ
新堂:「俺に気をつけろってどういう意味だ〜?日野」
日野:「新堂!!」
倉田:「新堂先輩」
日野:「お前、なんでここにいるんだ?七不思議の会に来るつもりなのか?」
倉田:「??」
新堂:「俺がここにいちゃいけないのか?七不思議の会?あ〜行くさ。とっておきの
怖い話をしてやるよ」
日野:「お前、もう死んでるはずだろ?なんで・・・・・・・・・・・・」
倉田:「!?」
新堂:「あぁ俺は死んだよ。お前が殺したんだろ?俺をよ〜」
倉田:「????」
日野:「・・・・・・・・・」
新堂:「俺が、なんでここにいるかって?決まってんじゃねーか。お前を殺すために
来たんだよ」
倉田:「(何?何を言ってるの、この2人は。日野先輩が新堂先輩を殺した?だって
新堂先輩はここにいるじゃない。一体、何なのよ〜本当に)」
スタスタスタ・・・・・・。
日野:「く・・・来るな・・・。来るな新堂・・・」
倉田:「(日野先輩が・・・・・・怯えてる・・・・・・?)」
・・・・・・・・・・・・・・・・。
そのあとの事は、あまりよく覚えていない。
気がついたら、私は自分の部屋のベットの上で寝ていた。
私が覚えてるのは・・・
新堂先輩が日野先輩に抱きついて、凄い光を放ちながら2人とも消えていったところ
まで。
そのあと、私はどうやって家に帰ってきたのかも覚えていない。
あの時の出来事は・・・・・・夢っだったのかもしれない・・・・・・。
倉田:「そろそろ・・・学校に行かなきゃ。きっとあれは・・・夢・・・だよね・・・」
―学校―
倉田:「なんか昨日の事が気になるから、新堂先輩の教室に行ってみよう」
―3年D組前―
倉田:「あの〜・・・新堂先輩いますか?」
3年生:「新堂?あいついないよ」
倉田:「え?」
3年生:「あいつ、この間死んだんだよ。なんか殺されたとかいう噂もあるけど」
倉田:「・・・・・・」
3年生:「あれ。あれが新堂の席だったとこ」
倉田:「花が・・・飾ってあるとこですか・・・?」
3年生:「あぁ」
倉田:「ありがとう・・・・・・ございました・・・・」
倉田:「(新堂先輩が殺されてた?そしたら昨日のことは現実だったの?日野先輩は
??)」
・・・・・・・・・・・・・・・・。
その日・・・・・・どんなに部室で待っても日野先輩は来なかった・・・・・・。
あとから聞いた話だと、日野先輩は、私が新堂先輩に会った次の日から行方不明にな
ったらしい・・・・。
倉田:「やっぱり・・・・・・あれは現実だったんだ・・・・・・」
そして日野先輩が行方不明になった日から、新聞部の部室に男の霊が出るという噂と、
図書室に殺された男の霊が出るという噂が生徒の間で流れていた。
私は図書室で新堂先輩が殺されたんだと思う。
だから私が図書室に行った時、新堂先輩に会ったんだ。
七不思議の会まであと2日。
日野先輩がいない今、七不思議の会はしなくていいのだろうか。
もしするとしたら、一体誰が来るのだろうか。
新堂先輩は来るのだろうか・・・・・・。
倉田:「とりあえず・・・・・・当日になればわかるだろう・・・・・・」
日野先輩は、一体何処に行ったんだろう・・・・・・。
日野先輩は、なぜ新堂先輩を殺したのだろうか・・・・・・。
なんか考えても無駄なような気もする・・・・・・・・・。
もう・・・・・・疲れた・・・・・・。
私は考える事をやめた。
考えても無駄なような気がするからだ。
倉田:「早く・・・家に帰ろう」
そして恐怖は繰り返す・・・・・・・・・。
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