△逆鏡▼
机を囲んで7人が座っている
俺が何かしゃべっている
何を話しているんだ?
視界が歪むと一気に目が覚めた
「・・・夢か」
呟くと、ベットから跳ね起きた
時計に目をやると、もうHRが始まっている
いつもなら学校に行くのはおっくうなんだが、今日は行き
たかった
顔を洗い、鏡に目をおいた
変わらない俺が映っていた
タオルで顔を拭き、もう一度鏡を見た
そこには微笑している俺がいた
俺は、もちろん微笑などしていない!
鏡に恐る恐る近付いた
もう一人の俺は更に微笑し、手を伸ばしてきた
鏡に映っていたはずの手は、俺の首を掴むと一気に引きず
り込んだ
俺の前には俺がいて、俺自身はここにいる
外の世界が見える
俺が新聞部の部室に足を運んでいるのが見える
何人かが座っていて、そして空いてる席に俺が座る
やがて、新聞部の男が来て話が始まった
俺、いや、鏡にいたはずの俺が何か企んでいるのだろうか
俺はただ見ているだけ
この部室で何かが起きようと、ただ見ているだけ
これからもずっと・・・
|