玲子のスペシャル大作戦☆
〜12月23日〜 あと一日でクリスマス。 私はというとフリーなのデス。片思いなのデス。 はぁ・・・新堂せんぱぁ〜い ・ ・ ・ ・ (回想中) ・・・ハッ!いけない。私ったら乙女してるぅ〜(*^-^*) 「玲子。今年のクリスマスどうするの?みんなでワイワイしない?」 「あ〜、私彼氏と過ごすから」 「いいなぁ〜玲子。彼氏できたんだ!」 ・・・とはいってみたものの、新堂先輩をすぐおとせるわけないし。どうしよう! 「玲子さん。玲子さん」 よぉ〜し!こうなったら作戦開始よ! 「玲子さん無視しないでくれよ〜」 まずは手作りのマフラーを下駄箱へ。 ・・・よし、誰もいないわ。こっそりよ。 キィー… バサバサバサッ ・・・あ、同じ考えの人が何人も。 ・・・・・・全部ゴミ箱に捨てちゃお
で、こうなると、どんな方法があるかな〜 「福沢じゃないか?」 後ろから声が聞こえた。それも聞き覚えがある! 「新堂先輩Y」 私は、あふれんばかりの笑顔と乙女チックな目を向けた。 ・・・・・・あれ?誰もいない。 確かに新堂先輩の気がしたんだけど・・・残念(;;) 「クリスマス一緒に過ごさないか?」 「え!?先輩、こんな私でいいの?」 「何言ってるんだよ。お前がかわいいから言ってんだよ!バ〜カv」 (おでこを指でツン☆) こんな感じで進行すると思ったのに・・・ 次は、教室に行ってみようかな♪ ドッキドキだけど。 ・・・・・・あ、いたいた\(^O^)/ でも、今、渡しに行くとファンクラブの人に何されるかわかんないから、 先輩が移動教室のときを見計らって渡すのよ! (時間割はもちろん、先輩のプロフィールは全てチェック済み。恋する乙女は  ストーカー以上の力を発揮するんだから) よし。それでいこう(≧∀≦)/ その前にもう一度見ておこう。 教室を覗くと先輩の姿が見当たらない。 あれ・・・?いなくなっちゃった。 私は授業が終わると同時に、すぐ先輩の教室にいった。 先輩のクラスも丁度授業が終わったらしく、人が一斉に出てきた。 「あの〜新堂先輩いますか?」 男の先輩に聞いてみた。 ・・・・・・・・・来ていないという。 じゃぁ、今朝見かけた先輩は? 朝だけ学校に用があったのかな?? ・・・・・・先輩の家に行ってみようかな。 「玲子さん!」 曲がり角からいきなり現れたのは、私が嫌いな細田友晴・・・。 「新堂先輩を探しているのかい?」 「ええ、そうだけど。先輩がどこにいるか、知っているんですか?」 「今日はもう、新堂先輩を探さない方がいいよ。危険だから・・・」 「な、いきなり現れて何をいうかと思えば・・・もしかして、先輩にやきもち  やいてるわけ?!」 もう!何て人なの!ますます嫌いになってしまったわ!(`ヘ´) 全ての授業が終わると、すぐに学校を出た。 細田に会いたくなかったから。 先輩の家には、迷う事なく着いた。 一呼吸してからチャイムを鳴らす。 ・・・・・・・・・返事がない。 また鳴らしてみる。 何度鳴らしても誰もでてこない。 「カギ開いてたりして・・・」 手を掛け、ゆっくりと開けてみた。 カチャッ!・・・・・・開いた! 無用心だな〜・・・それとも、もしかして・・・・・・(T_T) 「あの〜失礼しまーす」 何だか嫌な予感がするので上がりこんじゃった・・・。 私はとりあえず、一つずつ戸を開け部屋を確かめた。 そして、最後の部屋の戸を開けた。 ・・・そこには、一人の男の人が寝ていた。 「先輩!」 急いで近寄り、軽く揺すってみた。 手が力なくダランとしている。 そして、床には血の跡が広がっていた。 「先輩!!」 脈は・・・すでにない。 「嘘っ・・・」 「嘘じゃないよ玲子さん」 突然、傍で声がした。 「学校で見た新堂先輩は、君に助けを呼んでいたみたいだね。  ドッペルゲンガー・・・と俗に言われている現象は、こういう時に現れる  ものらしいよ。一般には、悪いイメージのようだけどね」 そう言うと、太い男はニヤリと笑いナイフを取り出した。 「もしかして、あなたが先輩を?!・・・・・・・・・わ、私も殺す気・・・」 そう言い終わる間もなく、私は腕を掴まれた。 力が強すぎて、とても振りほどけない。 彼はナイフを思いっきり振り上げた。 気が遠くなっていく・・・・・・。 目を覚ますと、そこは学校の保健室だった。 「具合はどう?」 「あ、大丈夫です」 「そう。でももうちょっと休んでなさい。あ、そうそう!あなたへの手紙  を預かっているのよ。『先生は読まないで』って釘をさされたんだけど  ・・・何なのかしらね。うふふ」 二つ折りされたノートを破った切れ端に、何やら走り書きしてあった。 [玲子さんへ さっきは驚かせて御免なさい。新堂先輩同様、君が狙われて  いることを知り、演技をして君の背後にいた奴を殺しました。  先輩を殺した奴の正体は未だ不明なので、これからさらに調べてみようと  思います。新堂先輩を守れなかったのは残念だけど(ちなみに、僕のとこ  ろにも助けを求めて現れました)、でも、玲子さんを守れてよかった。  P.S. こんな時に何だけど、24日に学校近くのカレーショップで食事を     しませんか?当日7時に待っています] ・・・そういうことだったんだ。なんだか長い夢を見ていたようだわ。 〜12月24日〜 私はお礼もかねてカレーショップへと向かった。扉を開けるとそこには・・・ カレー大盛り5皿目に突入している細田さんがいた( ̄□ ̄;)!! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 帰ろう・・・・・・。 あぁヤダヤダ!また今年も一人のクリスマスか〜。 まぁいいわ。今日は家族で過ごそうっと♪


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