37:年末前田家嫁入り計画

和子「さぁ、張り切って大掃除するわよ」
良夫「気合入ってるな、母ちゃん」
和子「前田家全図を見たでしょう?ここはムダに広い家なんだから」

【ピンポーン】
和子「誰かしら、こんな忙しい時に。良夫、玄関見てきて」
良夫「あいよ」
−玄関に人影なし−
良夫「空耳じゃないのか?誰もいなかった・・・」
園部「こんにちは良夫君。終業式以来ね、お久しぶり」
良夫「そ、園部!?どっから入って来たんだよ!久しぶりって、学校はおとと
   い終わったばかりだろ!」
園部「玄関開いてたし」
良夫「開いてたら入って来んのかよ・・・不法侵入ってヤツだな・・・」
園部「呼び鈴は鳴らしたよ?」
良夫「鳴らしたら普通は玄関で待ってろ」
園部「カタい事言わないの。掃除の手伝いに来たんだからいいじゃん」
良夫「あっ、それマジか?お前、家事が上手そうだから助かるぜ。ありがと
   な」
園部「近い将来、この家で住むために今から勉強しないとね」
良夫「将来・・・?この家で・・・?・・・・(汗)」
和子「ちょっと良夫。独り言を言う暇あるなら、部屋の片付けしなさい」
良夫「あ、母ちゃん。園部が来てて、手伝ってくれるってさ」
和子「園部・・・ああ、運動会の時会った、茜ちゃんね」
園部「お世話になってます。お義母さん」
良夫「うわっ!もう、呼び名が【おかあさん】で、字が【義母】かよ!」
和子「あんた何言ってるの?それより2人で大広間の掃除頼むわ」

園部「良夫君の家って大きいねぇ。部屋がたくさん」
良夫「歴史的旧家だからだろ。ここら辺一帯の家は、みんなそうだな」
園部「ふ〜ん。なら、この部屋はこう使って・・・こっちを改装して・・・」
良夫「園部、さっきからメモしてるのは何でだ?」
園部「子供が生まれた時に、部屋の使い方とかいろいろと」
良夫「やめろ!!ってか、お前、何しに来たんだよ!?」
−掃除は予定の半分も終わらなかった−


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38:secret base

−2003年・前田家自宅−
葉子「ラッキー!泰明さんから年賀状が来てる!」
泰明の年賀状:ドラマのロケ見学、楽しみに待っててください。何なら主役で
       出させてあげようか?ははっ
葉子「泰明さん、誘ってくれたこと憶えててくれたんだ。やっぱ顔が良い人は
   優しいな♪ っと、次は・・・」
由香里の年賀状:今年こそはカレシが出来るといいね(笑)
葉子「自分だって女の子にしかモテないくせに〜・・・」
正美の年賀状:謹んで新年のお慶びを申し上げます。旧年中は−(云々
葉子「正美おばさんらしくカタいなぁ。・・・でも、おばさんって、はじけるこ
   とあるのかな?・・・うーん、イマイチ想像できないけど」
良夫&和子:(良)葉子ネエ、餅の食いすぎで太んなよ〜
      (和)また遊びにきてね。待ってます
葉子「む〜。良夫のヤツ、お正月までワタシをからかうんだから!」
哲夫の年賀状:自分は今年、ヒマラヤ山派のエレベストの登山を計画中!
葉子「哲夫おじさん・・・自分が登る山の名前と、さんみゃくの【脈】の字を間
   違えてる。ノーテンキでいいなぁ(笑)」
年賀状続き:じゃ、またな!2003年 午年・元旦 哲夫より
葉子「干支まで間違えてるし・・・」


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39:secret base その2

02年新生児・女の子の名前ランキングベスト10
1位:美咲 同率で葵,3位:七海,4位:美羽,5位:莉子,以下 美優など
参考情報:12/25日付 毎日新聞社会面 明治生命調べ

葉子「女の子って、やっぱり【美】の字が多いですね」
由香里「親の願望とか、名前の響きの良さが入ってるんでしょ」
葉子「あ〜あ。私も違う名前が良かったなぁ。【美優】とか〜」
和子「ねぇねぇ葉子ちゃん。和子は入ってないの?」
葉子「えっ、和子ですか・・・入ってませんよ・・・」
和子「どうして?和子っていい名前だと思うけど、葉子ちゃんどう思う?」
葉子「そ、そうですよねぇ。私と同じ、子の付く名前って可愛らしいです」

由香里「葉子、3行目と言ってることが違うじゃん」 (小声)
葉子「ここはヨイショしといた方がいいですって」 (小声)
由香里「へ?・・・あっ、そっか」 (小声)

由香里「アタシもそう思う。憧れちゃうな〜」
和子「やっぱり?2人とも、お年玉はずんであげるわね♪」
−足取り軽く、和子おばさんは去っていった−
葉子「ふぅ〜。お年玉アップ作戦成功」
由香里「おだてるの上手いんだから・・・ホントのトコロはどうなのよ」
葉子「うーん、【美咲】も捨てがたいし【萌】もいいかな〜」
由香里「おいおいっ」


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40:眠れない夜に・・・

−七不思議の怪談後−
葉子「えーん。ぜんぜん寝れないよう」
時間−AM1:30
葉子「何か数えながらだと寝れるかなぁ? えーと・・・泰明さんがひと〜り・
   泰明さんがふた〜り・泰明さん〜(以下続く)」
時間−AM2:05
葉子「泰明さんが384人・泰明さんが・・・って興奮して寝れるか〜い!」
−ひとりつっこみ−
葉子「仕方ないなぁ。泰明さん以外で数えるのは、えーと・・・哲夫おじさんが
   ひと〜り・哲夫おじさんが〜(以下続く)」
時間−AM2:40
葉子「哲夫おじさんが43匹・哲夫おじ・・・ぷっ、あははは!おっかし〜!顔
   だけ哲夫おじさんのヒツジなんて想像しちゃった。しょうがないな〜、
   水でも飲んでから寝よっと・・・」
−起き上がり部屋を出る−
葉子「うっ、異常に静かで怖〜い」
【ポンッ】
葉子「ひゃあ!?」
哲夫「葉子ちゃん。どうしたんだ、こんな夜中に」
葉子「哲夫おじさんですか。実は寝付けなくて、水でも飲もうかと」
哲夫「そうか、自分も目が冴えてな。ほら、おじさんデコレーションだから」
葉子「それを言うならデリケートです。どんな間違え方なんですか〜。おじさ
   んなら、TVのご長寿早押しクイズにだって出れますね」
哲夫「えっ、自分はTV向きなのか!?がっはっは!」
葉子「皮肉なんですけど・・・」
−台所到着−
葉子「明かりつけますよ」【パチッ】
−葉子の足元をゴキブリが通過−
葉子「!!きゃあぁぁあぁぁ!!!」

−翌日の新聞には、連続殺人犯・梨竹逮捕。警官隊、地域住民も多数負傷の記
 事が載った−


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