(5)花見に出現。なぞおやじ


泰明 「今年は桜の開花が早くて、もう花見ができるんだな」
正美 「七回忌の次の日に花見というのは、少し気が引けますが・・・なかなか
    みんな揃って会えませんからね」
哲夫 「そうそう、楽しい事はみんな一緒じゃないとな!がっはっは〜!葉子
    ちゃん、ほら飲んだ飲んだ」
葉子 「哲夫おじさん、私はまだお酒は飲めません」
哲夫 「いいじゃないか少しくらい」
葉子 「ダメです!お父さん達も来てるんだから、見られたら怒られます」
泰明 「ははっ、見つかっても俺がフォローするからさ。安心しなよ」
葉子 「泰明さんがそこまで言うならいただきますね♪」
哲夫 「・・・なんか自分の時と反応が違うんだが・・・」
良夫 「ったく、調子いいんだから葉子ネエはさ」
葉子 「何か言った!?チビ夫」
良夫 「ひっでぇー!オレ、身長150cmはあるんだぜ」

そんなこんなで、10分後

泰明 「あれ、もう缶ビールなくなっちゃったな」
正美 「あれだけ飲めばなくなりますわ」
正美おばさんが指した方には
由香里 「フリーターのどこがいけないのよ!ウチの親、就職しろってうるさい
     のよ!」
葉子 「由香里姉さん、落ち着いて・・・・」
和子 「葉子ちゃん聞いてよ。本家の嫁だからって、あの人たちよってたかって
    私の事なじるのよぉ」
葉子 「ひぇー・・・和子おばさんは泣き上戸かぁ〜」
哲夫 「がっはっは!良夫君、オトコは度胸だぞ!背が低いのがなんだ。おじ
    さんの少年時代はだなー」
良夫 「俺、そんなの聞いてねぇよ。おじさん離してくれよ」
泰明 「あの3人でほとんど飲んだからなぁ。おーい、葉子ちゃんと良夫君。
    ちょっとビールとか買ってきてくれないかい?」
葉子 「あ、行きます。買ってきます」

葉子、脱出に成功

哲夫 「わっはっは!逃がさないぞ良夫君」
良夫 「えーい、離せよおじさん!」ドカ

良夫、強引に脱出成功。こうして二人は飲み物を買いに出ました

葉子 「あーあ。大変な目にあったわ」
良夫 「葉子ネエはまだいいぜ。あのおじさん、すっげー酒くさかったんだぜ。
    ・・・・・んっ?」
良夫が前方の出店に注意を向けると
風間 「おっ、少年また会えたね。久しぶり」
良夫 「やっぱり。この前いた【なぞオヤジ】か」
風間 「ぬっふっふ。キミも隅に置けないな。こんな可愛い子とデートは。
    良かったら何か食べて行ってくれたまえ」
良夫 「なんだよ。どうせ変なもの食わせる気だろ」
と言いつつ品札を見る二人
 
(1)かなりビールっぽい 80円
(2)見た目がウーロン茶 130円
(3)味はコーヒーに近い 90円
(4)ウソみたらしだんご 5本350円
(5)クレープかも知れない 200円
(6)コーラだと思った 120円
(7)にせうどん 300円

葉子 「・・・あのー。すぱっと『ビール』とか『コーヒー』ってないんですか?」
風間 「大丈夫だよ。見た目も味も本物に近いから」
良夫 「本物じゃないと困るんだけどな。まぁ面白そうだし、1本だけここで
    ビール買って、あとは普通の所で買ったヤツと同じ袋に入れてさ、誰
       が飲むかやってみよーぜ」
葉子 「いいの良夫?そんなことして・・・」
葉子が言ってる間に良夫はビールを1本買いました。そして−−−


葉子 「数日後、お母さんから哲夫おじさんが行方不明だと聞かされました。
    もしかしたら、あの時のビールは哲夫おじさんが飲んだのかも知れ
       ません。でも、それを確かめる術は私にはありません。
       とりあえず、泰明さんじゃなかった事は不幸中の幸いだと思います。
    皆さんもあまり怪しい所で飲食物は買わない方がいいと思いますよ。
       哲夫おじさん、今ごろどこに居るんだろう・・・・・」


すべては闇の中に・・・


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(6)恭介と更紗 僕は兄の恭介。こっちは妹の更紗。僕たちは2人暮らしなので とても仲がいい兄妹だ。食事も常に一緒さ。 恭介「更紗、そこにある塩を取ってくれ」 更紗「はい、お兄様」 恭介「更紗、これは塩じゃなくて砂糖だ。・・・ちゃんと書いてあるじゃないか」 更紗「あら、間違えてしまったわ。こっちですねお兄様」 恭介「・・・・更紗、これはしょうゆだ」 更紗「あら、また間違えてしまったわ。こっちですねお兄様」 恭介「・・・・・・・・更紗、これは、つまようじ入れだ。・・・もしかして、おまえ・・・    兄さんのこと嫌いなのか・・・?」 更紗「まぁね」 ▲目次に戻る
(7)携帯スプライト 葉子「おはようございまぁーす。泰明さん!・・・あれ?」 由香里「おはよー葉子。泰ニイなら、哲ニイと散歩に出かけたよ」 葉子「えぇっ!そんなぁ〜。今日までしか泰明さんいないのにー。・・・あっ、    泰明さん携帯置きっぱなしだ」 由香里「珍しいね。そうそう、ケータイと言えば『着メロ変えたら?』って     泰ニイに昨日アタシ言ったんだ。変わってるかな?」 ピッ・ピッ( 泰明の携帯を操作 ) 携帯電話パッパッパッパッ・パパパ〜パパパ〜♪ 由香里「これ、もしかして・・・」 葉子「いやぁ!ミニ○ニになってるー!しかもジャンケンぴょんだし!」 由香里「ストラップもよく見たら○ニモニじゃん。ファンだったのか泰ニイ…」 葉子「むかー!こうなったら笑点のテーマをDLして、変えちゃうんだから!」 由香里「あの・・・葉子?」 葉子「ストラップも、ヒナキちゃんから貰った【干し首付きストラップ】に    変えちゃうもん!」 由香里「お、落ち着きなよ葉子。もしもーし、葉子さん?・・・ダメだ。こりゃ     完全に冷静な判断能力を失ってるわ」 葉子「心配ないです。他に何個か貰ってますから。由香里姉さんも欲しいん    ですか?」 由香里「・・・遠慮しとく」 − 数十分後 − 泰明「ただいまー。ん?俺の携帯になんか変なモンが・・・」 哲夫「おぉ!泰明兄さん、【干し柿付き携帯スプライト】なんてナウい物を    付けてるっすね。さすが兄さんだ。がははは〜!」←純粋にそう思っている 泰明「・・・・・・・・・・・・」 ▲目次に戻る
(8)名作童話:正直なきこり −きこりが池の近くで木を切っていると、斧を池に落としてしまいました− ( きこり )葉子「ああ!大事な斧を池に落としてしまったわ」 −すると池の中からきれいな女神が現れました− ( 女神 )正美「あなたが落としたのは、この金の斧ですか?それとも銀の斧        ですか?」 葉子「い、いいえ。普通の斧です、女神さま」 正美「正直な方ですね。あなたには金・銀両方の斧をあげましょう」 葉子「いいんですか!?ありがとうございます、女神さま!」 −数日後− ( 村の子供 )良夫「母ちゃん、ちょっとコッチに来てくれよ」 ( 母 )和子「どうかしたのかい?・・・・わっ」 −良夫は和子を突き飛ばし、池に落としました− 正美「あなたが落としたのは、この優しい和子ですか?それとも若くて美人    な和子ですか?」 良夫「いえ。もっと老けてて怖い和子です」 正美「正直な方ですね。あなたには優しい・若くて美人な両方の和子をあげ    ましょう」 良夫「やったぜ!これで皆に自慢できる母ちゃんができたぞ。父ちゃんも    喜ぶし。じゃあな、オリジナルの母ちゃん。そっちで元気に過ごして    くれよぉ〜」 −元気に手を振りながら、2人と帰る良夫− 和子「お、お待ち良夫!あたしゃどうなるのさ・・・。ぶくぶくぶく・・・」 −以来、オリジナル和子を見た村人はいませんでした。めでたしめでたし 和子「どこがだい!?」←( 池の中から強烈なツッコミ )
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