学校であった怖い話・・・もとい。

学校であったおとぎ話
シンデレラver.

 

坂上  「・・・何故か今回、新聞部で演劇をやるコトになってしまいました・・・」
風間  「で、人材に乏しい新聞部は、各学年のスターに声をかけたワケだ」
坂上  「風間さんを呼んだつもりは、なかったんだけどな・・・」
福沢  「まーまー、いいじゃないの。で?演目はもう決まってるの?」
坂上  「これまた鬼部長・・・いやいや、日野先輩のワガママ・・・じゃなくて、独断・・・あー・・・」
新堂  「・・・わかった。とにかく、結論だけ言え」
坂上  「『シンデレラ』・・・です。僕はナレーターに回るので、皆さんで役を割り振って下さい」
細田  「せっかく綺麗どころが2人もいるわけだし・・・・」
荒井  「シンデレラ役は、どっちにしましょう?」
坂上  「岩下さんはどうですか?」
福沢  「何よ・・・あたしじゃダメなの!?」
坂上  「け、決してそーゆーイミではなく・・・」
福沢  「冗談よ、冗談。確かに、岩下先輩の方が雰囲気あるもんね」
岩下  「私はどっちでも、構わないわ」
新堂  「とりあえず、やってみようぜ」

シンデレラ as 岩下 明美 の場合

昔、昔・・・とある街に、シンデレラと呼ばれる少女がいました。
少女は、毎日のように継母と継姉にいじめられ(中略)・・・とにかく、可哀想な少女です。
 
風間  「センスのないナレーションだな」
坂上  「・・・日野先輩が書いた台本ですから・・・」
 
継母(荒井)     「シンデレラ!早く私のドレスを持ってきて下さい!!」
継姉(細田)     「ボク・・・じゃなくて、ワタシの髪を梳いてくれないっ?」
シンデレラ(岩下) 「はい・・・・ただいま」
 
新堂  「なあ・・・岩下の表情が・・・・」
福沢  「今にも刺しちゃいそうなオーラねぇ」
坂上  「岩下さん・・・役柄上ですから、ガマンして下さいよ?」
岩下  「わかってるわ」
 
継姉(細田)     「ああっ、もう。絹の様に美しいワタシの髪を手荒に扱わないでよねっ!」
継母(荒井)     「シンデレラのクセに生意気ですよ(By ジャイ●ン)」
 
坂上  「や、やばいッ!岩下さんが愛用のカッターを取り出したぁぁぁっっっ!!!」
福沢  「耐えて、先輩っ!」
新堂  「ロープ、ロープ!!」
 
シンデレラ(岩下)  「・・・・・“絹”?この藁みたいな髪が?」
(ちきちきちきちきっ)
継姉(細田)      「と、とにかく刃をしまいましょーよ?ね?」
 
坂上  「誰か、止めてぇぇぇぇ!!!」
 
・・・・数十分後・・・・。

 

細田  「くすん・・・地毛なのに・・・」
坂上  「頭を切られるよりは良かったでしょう?」
風間  「ついでにやってやろうか?ロボトミー手術」
細田  「・・・謹んで辞退します」
福沢  「じゃ、シンデレラ役はあたしでいいよね?」
新堂  「いいぜ。時間も勿体無いことだし、ぱっぱと進めよう」

シンデレラ as 福沢 玲子 の場合

昔、昔あるところに(中略)可哀想な少女です。
 
風間  「なんだか、その出だしだと『おじいさん』と『おばあさん』も出てきそうだな」
坂上  「黙ってて下さい」
風間  「・・・つまんないの」
坂上  「・・・・・まったく、この人は・・・・・」

 

シンデレラ(福沢)  「くすん・・・涙が出ちゃう。女のコだもん」
魔法使い(岩下)   「そこの小娘、何を泣いてるの?」
シンデレラ(福沢)  「あら、魔法使いのおば・・・もとい、お姉様」
魔法使い(岩下)   「・・・どっちでもいいわよ。で?」
シンデレラ(福沢)  「今夜、お城で開かれる舞踏会に行きたいのに・・・着て行くドレスが無いんです」
魔法使い(岩下)   「そんな、くだらないコトで泣いてたわけ?」
シンデレラ(福沢)  「はあ・・・」
魔法使い(岩下)   「とにかく話の都合上、ドレスを着せてあげる。・・・・出てらっしゃい!」
クロコ(荒井)     「はい。これがドレスです・・・自分で勝手に着て下さい」

 

坂上  「上手くいきそうな雰囲気ですね」
風間  「まったく・・・このボクに王子役をやらせれば、もっと盛り上がるのにさ」
坂上  「・・・風間さん。ライトの位置ずれてますよ」
風間  「はいはいはい」

 

シンデレラ(福沢)  「ここがお城!ここに・・・王子様がいらっしゃるのね〜♪」
王子(細田)      「おお、何と美しい方なんだ!」
シンデレラ(福沢)  「って・・・・ちょっと待ったぁぁぁ!!!!」

 

坂上  「せっかくいい調子だったのに・・・」
福沢  「どうして、よりによって、王子役がコイツなのぉぉぉ???」
細田  「“コイツ”だなんて・・・・他人行儀な。友晴と呼んでいいのに・・・」
風間  「だって僕は照明係だからなぁ。まぁ、どうしてもって言うんなら王子役をやっても」
福沢  「あんたでもないっ!新堂先輩はっ!?新堂先輩は何してるんですかっ??」
風間  「“あんた”だなんて・・・・望(はあと)、と呼んでいいのに・・・」
坂上  「新堂先輩は継母の役ですから・・・」
新堂  「・・・それも、どうかと思うがな」
福沢  「・・・・・・・新堂先輩がシンデレラやれば、いいじゃないですか」
新堂  「あ゛?」
荒井  「まあ、女がシンデレラをやる必要はありませんからね」
坂上  「それは、それで面白そうですし」
新堂  「本気で言ってんのか・・・?」

シンデレラ as 新堂 誠 の場合

福沢  「なかなか綺麗じゃないですか」
風間  「僕には劣るけどね」

 

昔、昔(中略)です。

 

細田  「坂上君・・・そんなにイヤなの・・・?」
坂上  「プロローグだけで30行あるんですよ・・・・台本」
風間  「さすが日野。僕の友人だけある・・・状況描写は細かくしとかないと」
坂上  「ああ・・・・だから、やってられるんですね。友達」

 

シンデレラ(新堂)  「ったく、どうして18にもなってスカートをはかなきゃなんねぇんだ・・・」
継母(岩下)     「シンデレラ。このスプーンでバケツ一杯に水を汲んできなさい」
シンデレラ(新堂)  「それは・・・違う話だろ?」
継母(岩下)     「なら、白雪姫の内臓を取ってきなさい」
シンデレラ(新堂)  「むちゃくちゃだ・・・」
継姉(福沢)     「とにかく行ってらっしゃい!時間までに終われば舞踏会に連れていってあげる」
シンデレラ(新堂)  「“白雪姫 暗殺指令”かよ・・・。ったく、ロングスカートってのは歩きにくいな」

 

風間  「ミニスカートの方が良かったのか、新堂・・・」
坂上  「それは・・・いくらなんでも、見苦しいのでは・・・」
荒井  「あっ。新堂さんが、スカートの裾を踏んづけて!」

 

(ずるっ。べしゃ)
 
細田  「・・・・へぇ。新堂先輩ってブリーフ派だったんだねぇ」
岩下  「見苦しい・・・」
福沢  「せ、せ、先輩ッ!そんなモノを見せつけないで下さい・・・ッッ」
坂上  「福沢さんこそ・・・そんなに凝視したらセクハラだよ・・・?」

 

・・・・そして、また数十分後・・・・。

 

新堂  「金輪際、女役はやらないからな」
風間  「じゃ新堂は照明をやるといい」
坂上  「え?じゃ、風間さんは何をするんですか?」
風間  「決まってるじゃないか」

シンデレラ as 風間 望 の場合

坂上  「ダメですっ!!ぜぇぇったいにダメですっ!!!」
風間  「どうしてさ・・・・・」
坂上  「そんな、すがるような目をしてもダメです!」
風間  「ケチ」
坂上  「ケチで結構」
岩下  「・・・一番の適任者がいるじゃない。坂上君?」
坂上  「?誰ですか??」
新堂  「まだ、わかんないのか?坂上」
福沢  「そうね。あたしが推薦するわ。坂上くんっ!」
坂上  「・・・・ま、まさか・・・」
荒井  「やっと気づいたんですね。坂上君」
細田  「他の人にはできないよ。坂上くん」
風間  「と、いう訳だ。坂上くん」
坂上  「何、勝手にまとめちゃってるんですかー!!」

シンデレラ as ・・・・・・・・ の場合

では、ナレーションは学校一の美声を持つ風間 望でお送りします。
シンデレラ(坂上)  「陰謀だーッッ!!」
継母(細田)     「そんな事、言わないで・・・」
継姉(岩下)     「1人だけ高見の見物は許されないわね」
魔法使い(福沢)  「綺麗にお化粧してあげるからさ〜♪」
王子(荒井)     「じゃ、練習を始めましょう」

 

新堂  「本番までに“鈴木 そ●子”愛用ライトを調達してきてやるからよ」
 
あーあー、本日は晴天なり〜。あえいうえおあおー。あめんぼ赤いなあいうえおー。

 

シンデレラ(坂上)  「こんな部、いつか辞めてやる〜ッッ!!」

 

END


更新復活記念(?)。SS送りつけて嫌がらせしてやるキャンペーン実施中・・・。
あっかんさんに捧げます・・・・。
受け取り拒否は不可。

学校SS書き:坂田 忍



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