本八合目より上は、急な斜面を張ってあるロープに沿ってジグザグに登っていく。
寒さと強風と空気が薄いのも相まって、最後にして最大の難所が待ち構えていた。
おぼつかない足どりで、ゆっくりと登っていく。
幸いにも登山者はほとんどいなかったので、自分のペースで登っていける。
さすがに、この時間はみんな山小屋で休んでいるのだろう。
しばらくすると、八合五勺の山小屋"御来光館"に到着。
リュックからデジカメを出す気力も無かったので、写真はありません。
さらに上へ登っていくと、鳥居が見えてきた。ここが九合目らしい。
そこから先は、さらに登山者を見かけなくなってくる。
上空ではなく"目の前"に大きな北斗七星が見える。
なんかとんでもないところを歩いているんだなあとか思いながらひたすら登り続ける。

AM0:30
富士山頂に到着。ゴールの久須志神社の前に倒れこむ。
しかし、あまりの寒さに耐え切れなくなり、ふらふらとトイレを探し始める。
トイレなら少しの間だけでも寒風をしのげる…。
トイレを発見し、入口の箱に200円を入れて扉を開けると…中には人がひしめき合っていました。
みんな考えることはいっしょ。
個室は空いていたので、中に入ってしばし休憩。あったか〜い。生き返る…。
でも、いつまでも入っているわけにはいかないので、トイレから出て再び寒空へ。
そして、山頂にある4軒の山小屋のひとつ"山口屋本店"の前でサバイバルシートを広げて寝転がる。
暖かいのだけど、風ですぐにめくれあがるのでやっぱり寒い。
それでも我慢してうずくまる。
数時間後、人が一軒の山小屋の入口に殺到しだす。
どうやら東京屋という山小屋が開いたようだ。

自分もよろよろと起き上がり東京屋へ移動。
中に入り、おしるこ(600円)を注文。
お湯を入れるだけのインスタントのおしるこなんだけど、真冬並みの寒さの中ではありがたい。

写真
東京屋の中から外を撮影。ご来光待ちで人の壁ができている。

写真
お世話になった東京屋。
もうすぐ日の出なので、みんな移動し始める。

写真
どんどん人が増えてくる。

写真
空が赤く染まってきたので、ご来光を見る場所を探す。
下山道の近くに空いている場所を見つけたので、そこに陣取る。
麓まで見渡せるほどの最高の天気。

写真
AM4:40
太陽がひょっこり現れる。

写真
ズームで撮影。

写真
太陽が完全に姿を現す。
毎日見ている太陽なのに、今日は特別なものに感じる。

写真
ご来光を眺める人たち。

写真
AM4:45
当初は、ご来光を眺めた後にお鉢巡り(富士山の噴火口を一周すること)をして、御殿場口から下山
する予定だったんですが、あまりに体調が悪いので、そのまま須走口から下山することに変更。
なだらかな斜面を降りていく。
だんだんと暖かくなってきた。太陽のありがたみを感じる。

写真
目の前に登山道が見える。
そして、ものすごい人の行列も見える。日の出までに山頂へ辿り着けなかった人たちと、 七〜八合目の山小屋でご来光を見てから登山し始めた人たちとで大渋滞が起こっている。
こちらに向かってきている人たちは、登山道が混んでいるので下山道から登ろうとしている。

写真
山頂まで渋滞は続いている。
わたしが登ったときは、全然人が居なかったのに。

写真
下のほうもぞろぞろと…。
この時間に八合目あたりにいる人って、登頂までにあと何時間かかるのだろうか…。

写真
雪の壁ができている。
雪が積もっていた下山道を使えるように、山小屋の人たちが雪かきをしてくれた跡かな?

写真
須走口の七合目より下からは、砂の斜面を一直線に下る"砂走り"が始まる。
砂走りは一気に降りることができるので、須走口は歩行距離が長い割には 早く下山することができる。

写真
砂走りスタート。
結構急な斜面なうえに大きな石もごろごろしているので、あまり調子に乗って走っているとすっ転ぶ。
ゆっくり歩いていても、たまに転ぶ(´∀`)

写真
下から砂走りを撮影。

写真
砂払五合目の近くで振り返って富士山を撮影。
あそこから降りてきたんだなあ…としみじみする。

AM8:20
新五合目に到着。
御殿場駅行きのバスが来ていたので、すぐに乗り込む。
行きに買った往復乗車券は、須走口から帰っても御殿場口から帰っても料金が同じなので問題なく
使えます。
その後は、東名御殿場から昼行バスで大阪へ。
帰りのバスで爆睡したら、頭痛はだいぶマシになりました。


今回の反省点は、なんといっても睡眠不足。
平地では大丈夫でも、高所に行くと体の不調は顕著に出るものなのだと身をもって体験しました。
今度は、しっかりと睡眠をとって、お鉢巡りもしたいものです。


おしまい


前へ
このページを閉じる