(17)七夕にかかる想い ( 注意:90%シリアルです )


哲夫「おおう、今回はシリアルな話だそうだぞ。葉子ちゃん」
葉子「哲夫おじさん・・・それは、シ・リ・ア・スですよ・・・」

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青年「最近の日本軍は、争いを起こす事ばかり考えている。
   どうして、僕の研究を【くだらない】と言い切るんだ・・・?」

−7月1日−
あの人は、始終そんな事を言ってたよ。どんなに軍のお偉いさんに脅かされて
も、邪魔をされても、蝶の研究だけは続けたんだ。
自分の命が長くないのを、感づいていたのかも知れないのにさ・・・。
私も、あとどれくらい生きられるのかねぇ・・・?

正美「中山さん、そんな弱気になっては駄目ですわ」

ふふふっ。でもね、正美ちゃん。人間はいつか必ず死ぬんだよ。
年齢を重ねて、身体が弱って、醜くなっていくんだけど・・・。
「わぁっ・・・・・・」
思わず息が詰まったねぇ。部屋一面に白い蝶が・・・あの人の死を悼むように飛ん
でいたよ。すごく綺麗で幻想的で。
大人の誰かが驚いて、窓を開けたとき・・・7月7日の七夕の夜空に、天の川と重
なるようにして、蝶の群れが飛んで行ったよ。
お願いだよ正美ちゃん。私が死ぬ時は・・・必ず1番に来ておくれ・・・。

−7月7日−
正美「その日、ナースコールが中山さんの異常を伝えてきましたの。ですから
   私、走って中山さんの病室に向かいましたわ」

ああ、正美ちゃん。約束通り1番に来てくれた。どう?綺麗でしょう。
私はこれでやっと・・・あの人に逢いに行ける。
この蝶の光景は、あなたの心の中で・・・永遠に生き続けて・・・・・・。

正美「私は窓を開けました。今日のような、星の綺麗な夜でしたわ。
   青年に逢いに行った、中山さんの魂を運ぶみたいに・・・蝶の群れが飛んで
   行きましたの。あんな光景は、2度と見れませんわね。
   織姫と彦星は実在した、なんて言ったら・・・ロマンティックすぎるかしら
   ?うふふ」


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哲夫「そうか。もうすぐ七夕だったのか」
葉子「あ〜あ。泰明さんとプラネタリウムとか行きたいなぁ」
哲夫「葉子ちゃん!星を観るなら海外で、自分と冒険ついでに観ようよ」
葉子「あ、用事思い出しちゃった。じゃあ、哲夫おじさん。また今度ね!」
−泰明から哲夫に、葉子の心が動く事は・・・ないのかもしれない−


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(18)恭介と更紗(ワンスモア) 僕は兄の恭介。こっちは妹の更紗。 僕たちは2人暮らしなのでとても仲がいい兄妹だ。 いつも助け合って生活してるのさ。 恭介「ああ・・・何か体がだるい・・・。夏カゼでもひいたようだ・・・」 更紗「大丈夫ですか、お兄様。お医者様に来てもらいましょうか?」 恭介「そうだな・・・。ちょっと、往診してくれる医者を探してくれ」 −ネットの検索を使って調べ始める更紗− 恭介「更紗?別にネットを使わなくても」 更紗「今、安楽死を実践した事のある、お医者様を探していたの」 恭介「兄さんは末期ガンの患者ではないぞ・・・」 更紗「冗談ですよお兄様。ホントは、葬儀屋を検索していたの」 恭介「・・・あのな。死ぬとかそうゆうわけでは・・・」 更紗「これも冗談ですってば。ホントは、生命保険の検索をしていたの」 恭介「・・・頭痛が増したようだ・・・。自分で探すよ・・・」 −往診終了− 更紗「お兄様。今日の分の粉薬です。早く治して下さいね」 恭介「更紗のためにもな。この薬を飲んで・・・って、これ・・・【食べられません】    と書いてあるんだが・・・」 更紗「あ、気付きました?やっぱりカプセルに移し替えるべきだったなぁ」 恭介「これはクッキーの缶などにある品質保持剤か・・・?今お前、コレを飲ませ    て一体何する・・・・・」 更紗「ナ・イ・ショ♪」 ▲目次に戻る
(19)Free & Easy     (虎丸さんリクエスト:祭りネタ) −今日はみんなで夏祭りに来ています− 泰明「葉子ちゃん、浴衣がよく似合ってるね。かわいいよ」 葉子「そうですか〜。泰明さんに言ってもらうと嬉しいな♪」 良夫「馬子にも衣装ってところだろ?」 葉子「良夫・・・あとでアンタ血祭りの刑ね」 −哲夫おじさんは、一生懸命に金魚すくいをしています− 哲夫「この!このぉ!逃げるな、そこの金魚!うおお!」 泰明「・・・・哲夫。やけに張り切ってるが、周りが水びたしだぞ」 哲夫「あ、兄さん。どーしてもすくえないんで・・・・うわー、アミが破れたぁ!」 店の人「お客さん・・・これで35回目ですよ」 葉子「そんなにやってて、1匹もダメなんですか!?」 【手本とばかりにやってみる泰明】 泰明「哲夫。水にかかる面を少なくして小さいの狙えば…ほらっ。簡単だろ?」 哲夫「おおう!さすが兄さんだ。よし、もう1度アミをくれオヤジ!」 葉子「がんばれー。哲夫おじさん」 哲夫「こら!そこのデカイの!おとなしく捕まれっての!うおお!」 葉子「・・・・・。さっきと同じじゃないですか・・・・」 −和子おばさんは盆踊りをしています− 葉子「おばさーん。踊ってる姿、カッコいいですよぉ」 和子「あらそう?社交ダンスで鍛えてるせいかしら」 良夫「でもよく見ると、他の人よりワンテンポずれてるんだよな・・・」 泰明「おばさんらしいね。ははっ」 葉子「なんか近くの人、踊りにくそうですけどね・・・」 −正美おばさんは輪投げをしています(意外にも)− 女の子「おねえちゃん。あのクマの人形ほしいんだけど・・・」 正美「あの人形?いいですわ。それっ!」 【1発で入って獲れる】 良夫「おばさん、スゲーなぁ。得意なの?こーゆうの」 正美「うふふ。小学生の頃は≪輪投げのマサミ≫と呼ばれていましたわ」 葉子「そ、そんな過去が・・・・」 −由香里姉さんは例によってバイトしてます− 由香里「どうですか〜。花火買って行きませんか〜」 【出張登場】→更紗「お兄様。帰ったら花火でもしましょうか」 恭介「たまにはいいかもな。更紗が好きなの選んでいいぞ」 更紗「打上げ花火って、人に向けて使ったらどうなるのかしら?くす」 恭介「・・・・・・」 ▲目次に戻る
(20)NEVER EVER パートA     (虎丸さんリクエスト:海水浴ネタ) −夏と言えば定番は海です− 葉子「由香里姉さーん、泰明さーん。早く泳ぎましょうよ!」 由香里「あらら。葉子ったらはしゃいじゃって」 泰明「本当だね。ところで由香里ちゃん、派手な水着だね。それ」 由香里「ビーチでは目立った方が勝ちなの。読者サービスだよ」 泰明「これSSだから、イラストなんてないけど・・・?」 由香里「それは読んでる人の想像次第♪どう、この悩殺ポーズ」 泰明「後ろ姿は申し分ないんだけどね。ははっ」 由香里「ねぇ・・・笑ってるけど、今すっごく失礼な事言ってない・・・?」 −泳いでいる葉子。良夫を発見− 葉子「良夫。立ち泳ぎなんかして何見てるの?」 良夫「いや・・・あれ誰かなーと思ってさ」 【バシャ・バシャ・バシャ】 葉子「とてつもない波しぶきね・・・。あれでバタフライ・・・のつもりかしら?」 良夫「はげしいだけで、ちっとも前に進んでないんだよなぁ」 【バタフライらしき泳法が止まる】 和子「ぶはぁー。やっぱり慣れない泳ぎ方は疲れるわ」 −和子おばさんでした− 良夫「か、母ちゃん!?いい年してなにしてんだよ!」 和子「あら見てたの?実はね、ダンス会の風間さんに勧められちゃって」 葉子「おばさん・・・そんなんじゃマルチ商法で騙されちゃいますよ〜」 和子「ステップの練習に良いって言われたんだけどねぇ」 良夫「ダメだこりゃ・・・」
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