EPISODE I 〜坂上君の運命〜
僕には彼女がいる。 付き合い始めて、もう半年は経っただろうか。 最近、彼女が冷たくなってきた。 話しかけてもシカトされる。 ここ一週間は、全然会話をしていない。 原因は・・・僕にあるのだろう・・・・。 付き合い始めたきっかけは、七不思議の会だった。 僕が彼女に一目惚れし、そして告白した。 そのとき彼女は、「私以外の女と話をしないで。あと、嘘をつかないで。 それを約束してくれるなら付き合ってもいいわ」と言った。 僕は、その約束を承知した。 そして、最後に彼女はこう言った。 「約束破ったら・・・・殺すから・・・・・・」 この言葉が、僕の頭の中をぐるぐるまわっている。 僕は、彼女との約束を破ってしまった。 僕は殺されるのだろうか。 彼女は、そんな僕をどう思っているのだろう・・・・。 2/14 運命の日 バレンタイン 「坂上君」 久しぶりに彼女が話しかけてきた。 「あ。岩下さん・・・・」 「これ・・・・」 彼女は、小さな箱を差し出した。 きっとチョコレートだろう。 「あげる。・・・・じゃぁね」 彼女はそう言うと、足早に去っていった。 家に帰ってから僕は考えた。 このチョコレートの中には、一体何が入っているのだろうかと。 “彼女の愛”か・・・それとも“毒”か。 僕は死んでしまうのだろうか? 僕は・・・・チョコを食べてみることにした。 “彼女の愛”が入っているのを信じて・・・・・・。


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